『いつでも我々は死という別れを目の前にして立っている。君との距離を慎重に測って、時が熟すのをじっと待つのは嫌だな』
美しい人の誘惑に、クリスはその場から動けずにいた。
彼は魅惑の唇で糸を吐き、クリスの心も体もなんなく絡め取っていく――。
ペストが流行の兆しを見せる17世紀のロンドン。大学は閉鎖され、怖いもの知らずな学生たちは自由を謳歌していた。その中で演劇好きの学生・クリスは忍び寄る災厄に怯える気持ちを口に出せずにいた。
そんな時美しきペスト医師・ルーファスに出会う。死への不安に向き合う状況下、二人は恋に落ち、今を惜しむように肌を重ねた。
抱かれたクリスはルーファスへの思いを募らせるが、街にペストを持ち込んだのはペスト医師だという噂を耳にし思い悩む。一方のルーファスはクリスを愛しく思いながらも、感染のリスクを負わせたくないがために彼を遠ざけ……。
激しい恋の炎が燃やし尽くしたのは、お互いの心と体か、それとも――?
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