「これから死ぬほど泣いて感じて、今日こそ俺の子を孕(はら)んでもらいますからね」
内側の柔らかな部分を犯しながら、番(つがい)の相手は耳に毒液のような言葉を流し込んでくる。
「浮気じゃなくて……、本気になってしまえばいいんです」
浮気相手はそうささやいた。
*
三十路オメガの会社員・卯花(うのはな)ユウトは悩んでいた。仕事は多忙で自分はそこそこいい年だっていうのに、妊娠、出産、子育てなんていう大仕事ができるだろうか。
そんなユウトの前に現れるのは、ミステリアスなオメガ・星さん。
「卯花さん、オメガにとって最大の不幸はなんだと思いますか?」
番からの解放を望む彼はユウトに思いを寄せる。
すべての性とセックスできてしまう自分たちオメガ男性が、他より安全な生き物のはずがなかった。うなじを噛(か)まれて自由にセックスできなくなっても、俺たちは本能から気持ちいいことを求め続けるらしい。
ユウトは天をあおいだ――。
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